アイドルマスターsideM 3周年によせて

 もうまもなく幣事務所が三年を迎えようとしている。それはつまり私が315プロのプロデューサーとなってから丸々三年がたったということでもある。
 三年、思い出にするにははやすぎたけれど最近と呼ぶには遠すぎる。そんな中途半端な数字ではあるが、どうせなので振り返ってみたい。ほら、「3」15プロだし。

 

 そもそも私がSideMをはじめたきっかけはとにかく「Jupiterと会いたい!」というそんな思いからだった。
 わたしがアイドルマスターを知ったのは2が発売されたころだ。
 わたしは当時からJupiterのことが好きだった。だいすきな765の女の子に負けないぐらい魅力的な男の子たち。当時はまだ今ほど男性アイドルものが少なかったこともあって、「彼らのことを知りたい!」と思うのにそう時間はかからなかった。
 けれど彼らのことを知ろうとするほどあのころの彼らの状況が目に入った。動画サイトで検索することすら怖かった時期もある。コメント欄なんてひとつも見たくなかった。もうめちゃくちゃ腹立たしかったり泣きたかったりで、でも何もできない自分がいやで、あのころはまぁーつらかった。
 でも、少しずつ風向きは変わる。アニメにでてコミカライズも出て劇場版にだって出て。少しずつJupiterにたいする風はやわらかいものになった。アニメで冬馬みたとき、うれしすぎて友達に泣きながら電話したりもした。
 そんな中でSideMが、男性版アイドルマスターが始まることになって、そこに彼らもいて。事前登録をものすごい早さでした。そしたら半年メンテが待ってた。懐かしい。
  

 半年待って、ようやく扉を開いた315プロは思ってたよりもよく言えば懐が深い、悪く言えばトンチキな事務所だった。初めてのイベントで元医者がキャスターつきの椅子で滑ってくるなんて誰が思うよ。スパノヴァ大好きだけど。
 でも変わっているけど、みんなまっすぐでいい子たちばかりで、私は気づいたらWの担当プロデューサーになっていた。アイドルオーディションでがんばる姿に私は間違いなく勇気付けられたから。泣きながら走ってうちにきてくれた享介は今でも宝物です。
 みんな魅力的で、イベントのたびに新しい面を見せてくれてそのたびにみんなのことが好きになって、わくわくしながらプロデュースしたのも一年目だけれど同じぐらい悔しかったのも一年目だった。
 今でこそ「サービス終了すんじゃないかって思ってたよね」と笑いながらいえるけど、あのころは冗談めかしていっていた「終了」の二文字が首筋の後ろを常に掠めてた。こんなにみんな素敵なアイドルなのに、他の事務所とは何が違うんだろうとしょんぼりしたこともあった。楽しくなかったときだってなかったとはいえない。
 それでもわたしは315プロのプロデューサーであることをやめられなかった。Wが「監督!!」って読んでくれる限りは監督でいたいし、何よりJupiterがそこにいる限りはそばにいてあげたいと思った。あの時なにもできなかったから、せめて。

 

 そんな中迎えた第一回理由生。
 そう、DRAMATIC STARSに声がついた日。
 あのときの感情は手持ちの辞書全部使っても言い合わせるものじゃない。声が!!ついた!!!すごい!!輝が、翼が、桜庭先生がしゃべってる!!!!!!
 しかもCDも出すんだって。ドラスタだけじゃなくてJupiterも。おーい!!全世界みてるかー!!声がついたらやるとかぬかしてたやつ、見てるかー!!!!!!

 それからはとんとん拍子、とはいかなかったけれどそれでも順調に声がついた。 Wが話した日はもうーうれしかった!!!
 これは不思議なことなんだけど、初めて聞いた声なのに「知ってる!!!!」ってめちゃくちゃ思った。私が聞いてた悠介と享介の声そのものだった。一年半、ずっと一緒に走っていたあの子達の声を私はずっと聞いてた。

 そこまでで声がついていた子たちだけになったけど。ファーストライブもやることになった。現地はご用意されませんでした。
 でもライビュ会場に行ってびっくりした。うわ、SideMすきな人ってこんなにいるの!?もちろん誘われてって人もいただろうけど、でもそれを差し引いてもびっくりした。
 ライブはねー!!すごかった。円盤出てるので見てないひとはぜひ見てください。
 315プロはそこにあった。ああ私はこの瞬間のために315プロにいたのかもなってひしひしと思った。何よりJupiterに、Jupiterの大事な友人である三人に、この光景を見せてあげられた。エナメルグリーンのライトでいっぱいのステージ。もう何年もかかってしまったけれど、そこでようやくわたしの中のJupiterに対する負い目のようなものが清算できたと思う。何もできなくてごめんね、ずっとそこにいてくれてありがとう。

 二年目は一年目よりもずっと楽しいものだった。

 新人もはいってきて、総勢15ユニットの大所帯となった315プロは気づけばいろんな声であふれていた。通勤中で一周できたプレイリストはかなりの長さになった。
 ローテーションは謎なままだけど、イベントの掘り下げも去年より圧倒的に増えた。Wに関してはイベントがくるたびにはらはらすることが多くて、なんだか半年ぐらいずっと心配してた。でもその心配の分だけ、悠介も享介も大きくなったね。
 2周年のアニバーサリーCDも「アイドル!!!!!」を押し出したものですごくよかったし、ソロシリーズが始まると聞いたときには腰抜かした。えー!全員分出るの!!曲数やばい!!!CDたくさん出る!!!

 そして何より二年目の集大成、セカンドライブ。
 記憶吹っ飛びすぎて早く円盤でてくれないと「すごかった」しかいえないんですけど、それでもアニメ化発表の瞬間だけはこの先も忘れないだろうなと思う。
 流れ出すPV、とりあえずドアラにあわせてコールするP、見たこともないドラスタのイラスト、アニメ化決定の文字。
 うれしいだけの悲鳴ではなかっただろうなと思います。不安と心配と「大きなコンテンツになる」という寂しさと。あのときあの発表を見た人のぶんだけいろんな重いがある。
 わたしも正直、自分がうれしかったのか不安だったのかはいまでもわからない。でもどうしようもなく安心したし、ここまであの子達の手を離さないでよかったと心底思えた。ぼろぼろに泣き崩れて、涙をぬぐう余裕なんてなくて、挨拶を聞かなきゃペンラの色を変えなきゃと思うのに。手がみっともないぐらい動かなかった。
 最後のBeyond the dreamの歌詞を聴くとまた泣けてきて、去年のリベンジといわんばかりに背中合わせで立つという動きを成功させたWの姿にできるなら膝を折って泣きたかった。

 アニメになる、という現実は正直まだぴんときてない。本当に動くの?うそでしょ??正直、この前のWのキービジュアルの発表だけでも泣いてしまったので、動いたりしたら息がとまるかもしれない。
 アニメの出来とか、アプリの出来とか、そんなものは実際にきてみないとわからない。だから余計な心配は今はやめておこう。でも、あんまりいままでSideMに興味のなかった人が入りやすい場所になればいいなとおもう。

 一年目の私がどんなに頑張っても見向きもしなかった人が「すごいね!アイドルっていいね!」といってくれたらこんなにプロデューサーとしてうれしいこともないだろう。私たちが三年、手塩にかけて育ててきたアイドルが自慢できる、またとない機会がやっときたのだ。

 コンテンツとして大きくなることへの心配はなくもない。それに伴う問題もでるだろう。でも私は知っている。私たちの自慢のアイドルたちはちょっとやそっとの困難で負けるような子たちではない。もし、負けるとしたらそれはきっと私のほうだ。
 だから悠介、享介。もしも私が負けそうになったら思いっきり背中をたたいてね。それできっとわたしの背筋はまた伸びる。苦しいときでも背筋伸ばせって教えてくれたのは君たちだ。
 
 一年目、二年目。そして三年目。315プロはいよいよ飛躍のときを迎えようとしている。
 セカンドライブの最後の挨拶で、硲先生役の伊東さんが泣きまくるPに対してこんなことを言った。
「何人か泣いている子もいるね。顔をあげなさい。何を泣くことがあるんだ。これからゲームにアニメ、楽しいことがたくさんじゃないか」
 そう、楽しいことがたくさんある。泣いている暇も不安に思っている暇もプロデューサーにはない。アイドルたちがそこにいる限り、顔を上げて背筋を伸ばして、行こう、夢の先の、最高の未来まで!

THE IDOLM@STER SideM「Beyond The Dream」視聴動画 - YouTube